「資源戦争だ!これは買いだ!」
2025年10月、中国がレアアースの輸出規制を発表した瞬間、僕はそう叫んでマウスを連打していたんだにゃ。 MPマテリアルズ、双日、アルコニックス…手当たり次第に成行買い。画面上の含み益はぐんぐん伸びて、「これで今年の負けは全部取り返せる!」と確信していた。
しかし、その歓喜はわずか3週間で絶望に変わった。 10月30日の「釜山合意(米中一時休戦)」。 このニュースが出た翌日、僕のポートフォリオは真っ赤に染まり、呆然とディスプレイを眺めることになったんだ…。
でも、冷静になって資料を読み込んだ今、震える手でこう結論づけたにゃ。 「この暴落は、終わりじゃない。2026年11月の『本番』に向けた、最後の猶予期間(ボーナスタイム)だ」と。
今回は、投資歴10年の僕「投資ぬこ」が、爆損の痛みを抱えながら「なぜ今、レアアース株が熱いのか」、そして「2026年の崖に向けて何を仕込むべきか」を、生々しい実体験と共に解説するにゃ。
なぜ株価は乱高下したのか?「釜山合意」の罠
まずは、僕がイナゴして焼かれた(高値掴みして損した)経緯を整理させてくれにゃ。ここを理解していないと、また同じ目に遭うからな。
資源の武器化と「10月の衝撃」
2025年10月9日、中国商務部が出した「公告第61号」。これが全ての発端だった。 これまでの「輸出管理」とはレベルが違ったんだ。
- 域外適用: 中国産のレアアースを使ってれば、ベトナムで作ろうがメキシコで作ろうが規制対象。
- 技術凍結: モノだけでなく、精製技術や磁石の製造ノウハウまで出し渋る。
市場はパニックになった。「これは供給が止まる!」と、ジスプロシウム(重希土類)の価格は爆騰。僕もここで飛びついた。ここまでは、相場師として間違ってなかったはずなんだ(涙)。
10月30日のどんでん返し(釜山合意)
ところが、トランプ大統領と習近平国家主席が電撃的に握手しちゃったんだにゃ。「経済的にお互いしんどいから、ちょっと休戦しようぜ」と。 これで「輸出規制は1年間停止」が決まった。
市場は単純だにゃ。「あ、供給不安なくなったの? じゃあ売りだね」と、一気に資金が抜けた。僕のMPマテリアルズも、あっという間に含み損-15%だにゃ…。
「平和」ではない、「猶予期間」だ
でも、ここで逃げてはいけない。専門家のレポートを読み込んで気づいた重大な事実がある。 この合意には「2026年11月10日まで」という明確な期限があるんだ。
つまり、問題は解決したんじゃなく、「時限爆弾のタイマーが1年後にセットされた」だけ。 西側諸国にとってこの1年は、次の危機が来る前にサプライチェーンを作り直すための「死に物狂いの猶予期間(Grace Period)」なんだにゃ。
投資ぬこニュースのヘッドラインだけで売買するな。「一時停止」の意味を深読みしないと、往復ビンタ(高値で買い、安値で売る)を食らう羽目になるにゃ。
レアアース投資のキモは「採掘」じゃなく「料理」だにゃ
さて、ここからは具体的な戦略の話だ。 レアアース銘柄というと、「鉱山を持ってる会社」を買えばいいと思ってる人が多いけど、それは素人(または昔の僕)の考えだにゃ。
「シェフ不在」のレストラン
レアアース(希土類)って名前だけど、実は地球上にそこそこある。 問題は「掘ること(Mining)」じゃなくて、使える状態に「精製すること(Refining)」なんだ。
これを料理に例えるとわかりやすい。
- 食材(鉱石): 世界中にある。
- シェフ(精製工場): 9割が中国という巨大な厨房にいる。
食材があっても、料理できる人がいなければ客(産業界)には出せない。特にEVやミサイルに必要な「重希土類(ジスプロシウムとか)」を料理できるのは、ほぼ中国だけという異常事態なんだにゃ。
二つの価格市場(ダブルスタンダード)
今、面白い現象が起きている。
- 中国価格: 安い。
- 非中国価格: 高い(セキュリティ・プレミアムが乗っている)。
投資家として狙うべきは、この「非中国価格」で商売ができる、つまり「中国以外の厨房を持っている企業」だにゃ。ここにお金が流れるのは必然なんだ。
日本の反撃開始!「双日」と「南鳥島」が激アツ
ここで日本の出番だにゃ。実は日本、2010年の尖閣諸島問題で一度中国に締め上げられたトラウマがあるから、対策が進んでるんだ。
① 双日×ライナス:現実的な「供給の命綱」
商社の双日(2768)。ここが渋い仕事をしたにゃ。 2025年10月、オーストラリアのライナス社から「重希土類」の輸入を開始した。
これの何がすごいって、「中国を一切通さないサプライチェーン」を完成させたことだにゃ。 JOGMEC(国の機関)が支援して、双日が運ぶ。これはもう一企業のビジネスじゃなくて「国策」だ。 株価的にも配当利回りが良くて(約3.5%)、僕みたいな塩漬け投資家にも優しいのがポイント高いにゃ。
② 南鳥島プロジェクト:ロマン枠から本命へ
そして、全投資家が注目すべきは「南鳥島」だにゃ。 日本の排他的経済水域(EEZ)の深海6,000mに、世界需要の数百年分のレアアースが眠っている。
- 2026年1月: ついに実証採掘(泥を引き上げる実験)が始まる。
- 日米協力: トランプ政権とも連携して進めることが決まった。
これ、ただの夢物語じゃなくなってきてるんだ。「成功しました!」ってニュースが出たら、関連銘柄(海洋土木とかポンプとか)はとんでもないことになるぞ…。僕は今のうちに少し仕込んでおくつもりだにゃ。
米国の本気度と「MPマテリアルズ」
僕が高値掴みしたMPマテリアルズ(MP)の話もしなきゃいけないにゃ。 米国唯一のレアアース生産者で、カリフォルニアに鉱山を持ってる。
国防総省(DoD)の「過保護」契約
米国防総省はこの会社を絶対に潰さない気だにゃ。 「価格保護契約」といって、もし市場価格が下がったら、その差額を政府が補填する契約まで結んでいる。実質的な「政府公認の買い支え」だ。
2025年Q3の決算は少しコケたけど、テキサスの磁石工場が動き出す2026年には「鉱山から磁石まで」一気通貫で作れるようになる。 今の株価下落は、長期的に見ればバーゲンセールに見えて仕方がないんだにゃ(ポジショントーク含む)。
噂の「パックス・シリカ」構想とは?
米国務省がチラつかせている「パックス・シリカ(Pax Silica)」。 これはAIや半導体を支える鉱物(シリコンやレアアース)を、同盟国だけで囲い込む構想だにゃ。これが本格化すれば、サプライチェーンに入っていない企業は干される。逆に、ここに入っているMPや双日は最強の勝ち組になる…そういうシナリオだにゃ。
猫でもわかる!レアアース用語集&Q&A
記事の中で出てきた難しい言葉、ここでこっそり復習するにゃ。
投資ぬこの「ひとくち用語解説」
- 重希土類(HREE): レアアースの中でも特にレアなやつ。ジスプロシウムとか。EVのモーターが熱でバテないようにするための「魔法のスパイス」みたいなもの。これが中国に握られているのが最大の問題。
- 2026年の崖(Geopolitical Cliff): 釜山合意の期限が切れる2026年11月10日のこと。ここで輸出規制が再開されると、市場は再び大パニックになる。
- 南鳥島(みなみとりしま): 日本の東の果てにある島。この周りの深海泥が「宝の山」。日本が資源大国になれるかどうかのラストホープ。
よくある質問(FAQ)
Q. 今から買っても遅くないですか? A. 全然遅くない、むしろ今がチャンスだにゃ! 10月の過熱感が冷めて、今は「凪」の状態。大口投資家も様子見してるけど、2026年の期限に向けて徐々に買い集めが始まるはず。暴騰してから飛び乗るより、誰も見ていない今仕込むのがセオリーだにゃ。
Q. 中国が規制を延長したらどうなるの? A. 価格は落ち着くけど、企業の実力差が出るにゃ。 もし規制が発動しなくても、EV需要は増え続けるから「構造的な供給不足」は変わらない。その場合、国の支援があるMPや、技術力のある信越化学のような「本物」だけが生き残る。だからこそ、怪しい小型株じゃなくて「国策銘柄」を選ぶのが大事なんだ。
Q. NISAで買ってもいい? A. 双日や信越化学ならアリだにゃ。 特に双日は配当も良いし、長期保有向き。MPマテリアルズみたいな米国株はボラティリティ(値動き)が激しいから、NISAの成長投資枠で少額から試すのがおすすめだにゃ。
まとめ:静けさの中で牙を研げ
今のレアアース市場は、釜山合意のおかげで一時的な「凪(なぎ)」の状態にある。 多くの投資家は「あーあ、終わった」と思って去っていった。
でも、ここまで読んだ君ならわかるはずだにゃ。 今は「平和」なんじゃなくて、「次のショックまでの準備期間」なんだ。
株価が落ち着いている今こそ、冷静に企業を選んで仕込むチャンス。 僕も高値で掴んだMPマテリアルズ、泣きながらホールドして、下がったところを少しずつ買い増していくつもりだにゃ。
2026年11月、笑っているのは「準備した者」だけだ。 一緒に生き残ろうにゃ!








