投資ぬこはじめてのFX、むずかしそうに見えるけど、コツを押さえれば猫でもいけるにゃ。まずは“仕組み・費用・守るルール”を3分でつかんで、小さく試すところから一緒にやろう。
この記事でわかること
- FXの基本(通貨・売買・レバレッジ)がサクッと理解できる
- 少額で始めるときの考え方と注意点がわかる
- 失敗しにくいチェックリストで今日から実践できる
FXとは?仕組み・用語を3分で
FXの基本(通貨ペア/買い・売り/差金決済)
FXは「通貨を交換して利益をねらう」取引。米ドル/円のように2つの通貨をセット(通貨ペア)で扱い、値上がりと思えば買い、値下がりと思えば売りからも入れる。実物の外貨を受け取らず、差額だけをやり取りする差金決済が特徴。スマホの取引アプリで、数量(ロット)と価格、注文の種類を選んで行う。
スプレッドとスワップポイントの意味
コストの中心はスプレッド(買値と売値の差)。相場が荒い時や早朝・指標の直前は広がりやすい。もう一つがスワップポイント。国と国の金利差に応じて、ポジションをまたぐと受け取ったり支払ったりする。日ごとに変わることがあり、長期保有の収支に効くので確認が大切。
レバレッジと証拠金の関係(国内個人は最大25倍の枠内)
FXは証拠金を預け、レバレッジで元手の何倍もの取引ができる。たとえばレバレッジ10倍なら、1万円で約10万円分のポジションを持つイメージ。証拠金維持率が下がると強制決済(ロスカット)になるため、余裕資金で小さく始めるのが鉄則。国内個人向けは原則25倍以内の枠で運用されている。
用語ミニ辞典(保存版)
- 通貨ペア:USD/JPYなど2つの通貨の組み合わせ
- ロット:取引数量(最小1,000通貨や1万通貨が多い)
- 成行/指値/逆指値:今すぐ/指定価格で買う・売る/損切りや利確の自動注文
- 証拠金維持率:口座の余力。一定を下回るとロスカット
チェックリスト:ここまでで確認
- 取引は「通貨ペアの値動きの差」をねらう
- コストは主にスプレッド+(保有日数に応じて)スワップ
- レバレッジは便利だが、維持率低下=強制決済のリスク



レバは“使う”じゃなく“借りている”意識が超大事だにゃ。最初は低レバ×小ロットで体感をつかもう。次の章では、いくらから始めるかを数字で見える化するよ。
いくらから始める?最小ロットと必要資金の目安
1,000通貨/1万通貨のケース別シミュレーション
まずは考え方。必要証拠金=取引額÷レバレッジ。国内は最大25倍の範囲。
例:USD/JPYを仮に150円とすると、
- 1,000通貨の取引額=約15万円 → 必要証拠金=15万円÷25=6,000円
- 1万通貨の取引額=約150万円 → 必要証拠金=150万円÷25=6万円
ただし最小だけで建てるのは危険。ロスカットを避けるため、少なくとも必要証拠金の2〜3倍の口座資金を目安にする。最初は1,000通貨から、損切り幅を狭くテストするのが無難。
初心者が選びやすい通貨ペア(USD/JPYなど)
初めてなら、情報が多くスプレッドが比較的狭いメジャー通貨が扱いやすい。
- USD/JPY:ニュース量が多く、値動きの癖を学びやすい
- EUR/USD:世界で最も取引が多い通貨ペアのひとつ
- AUD/JPY:資源・金利の影響を受けやすく、傾向を学ぶ教材になる
最初は1〜2通貨ペアに絞り、日々の材料(指標・要人発言)とのつながりをメモすると上達が早い。
ミニ計算:値動きと損益の目安(USD/JPY)
- 1,000通貨なら、0.01円(1pips)の変動=約10円の損益
- 1円の変動(100pips)=約1,000円の損益
- 1万通貨なら各10倍
自分の許容損失額から逆算してロットを決める。たとえば1回の許容損失を1,000円にするなら、1,000通貨で100pips、または1万通貨なら10pipsに損切りを置く計算になる。
チェックリスト:始める前の資金設計
- まずは1,000通貨でテスト運用する
- 必要証拠金の2〜3倍を口座に入れて余力を確保
- 1回あたりの許容損失(口座の1〜2%など)を先に決める
- 損切り幅からロットを逆算して、ロット固定で練習
- 指標発表前後は建玉を軽く、または見送り



口座残高=体力、必要証拠金=最低限の酸素、ってイメージだにゃ。息切れしないように“余力”を厚めに持つのが長生きのコツだよ。
リスク管理の超基本:損切り・ロット・維持率
証拠金維持率/ロスカットの仕組み
証拠金維持率=有効証拠金÷必要証拠金×100。多くの国内業者は一定の維持率を下回ると強制ロスカットが作動する。強制決済は口座を守る最後のガードで、発動すると不利な価格で一気に切られやすい。だからこそ、強制に任せず自分の逆指値で先に撤退ラインを決めるのが鉄則。
1回の許容損失%とリスクリワード
口座残高に対する1回の許容損失は1〜2%目安が無難。例:残高10万円、許容1%=1,000円。USD/JPYで損切り幅を20pipsに置くなら、1,000円÷(20pips×10円/pips)=0.5万通貨が上限。利確は損切り幅の1.5〜2倍を狙うと、勝率が5割でも損小利大が作りやすい。数字で先にロットを決める習慣を持つ。
失敗あるあると回避策(逆指値・指標跨ぎ)
- 置かない病:逆指値未設定のまま放置→必ず同時に入れるOCO/IFD-OCOを使う
- ロット過大:勝ち続けて増量→“連勝後は据え置き”のルール化
- 指標跨ぎ:CPI/雇用統計/要人発言直前に建てる→発表30分前後は見送り、建玉は軽く
- ナンピン沼:根拠なく追加→「最大追加回数0〜1回」「平均建値を悪化させない」を誓約
- トレード頻度:連敗で取り返そうと連打→「1日最大トレード回数」を決める
チェックリスト:建てる前の安全確認
- 証拠金維持率は余裕あり?(最低でもロスカット水準の2倍目安)
- 逆指値は同時にセットした?(価格と理由をメモ)
- 1回の損失額は口座の1〜2%内に収まる?
- 指標発表はない?あれば時間と対応方針を決めた?
- ロットは“損切り幅から逆算”で計算した?



「どこで負けるか」を先に決めるのがプロへの近道だにゃ。勝ちは運でも来るけど、負けのサイズ管理は実力でコントロールできるよ。
費用の正体:スプレッド/スワップ/その他コスト
スプレッドが広がる場面と対策
スプレッドは売値と買値の差。ふだんは狭くても、次の場面で広がりやすい。
- 主要指標の直前直後(CPI、雇用統計、政策金利)
- 早朝・週明け直後・流動性が薄い時間帯
- 要人発言や地政学ニュースで急変時
対策はシンプル。発表前後は成行を避け、指値・逆指値に限定。狭い時間帯(欧州〜NY)に絞ってトレード回数を減らすと、コストは自然と下がる。
スワップポイントの考え方と注意点
スワップは通貨間の金利差に応じた受け取り/支払い。日またぎで発生し、金利環境や業者の条件で日々変わる。
- 長期保有:受け取り狙いでも、相場が逆行すれば価格損が上回ることがある
- 短期売買:日をまたがないとスワップ影響は小さめ
- 週またぎ:付与が複数日分になる日があるため、保有方向に注意
“スワップ目当て”は値動きリスクとセット。保有理由と撤退条件を同時に決めておこう。
その他コスト(手数料/ロールオーバー/スリッページ)
- 取引手数料:多くは無料だが、一部口座やCFD連動型では発生する場合がある
- ロールオーバー:日付変更時の処理で微少な調整が入ることがある
- スリッページ:指定価格と約定価格のズレ。荒れた相場・成行多用で増えやすい
これらは“約定力の高い時間帯に、指値中心で回数を絞る”だけでだいぶ抑えられる。
コスト最小化の実践ポイント
- 毎日の取引回数を上限化(例:最大3回)
- 指標カレンダーで発表30分前後は原則見送り
- 取引は流動性の厚い時間帯に集中
- 保有日数が伸びるときはスワップ方向と額を確認
- スリッページが出たら“なぜ出たか”を記録し、発注方法を改善
チェックリスト:今日からできるコスト削減
- エントリーは指値/逆指値中心(成行は例外時のみ)
- 経済指標の前後は建てない、またはロットを半分以下
- 取引時間帯は欧州〜NYに寄せる
- スワップ方向と付与タイミングを毎朝確認
- 月末に“合計スプレッド+スリッページ”を記録して見直す



勝ち負け以前に、まずは“漏れ”を止めるのが先だにゃ。コストは敵にゃけど、ルールでかなり小さくできるよ。
始め方ステップ:デモ→口座→初トレード
口座開設〜入金〜ツール設定の手順
- デモ口座で1週間だけ練習(成行・指値・逆指値を各3回ずつ試す)
- 本口座を開設(本人確認とマイナンバー提出)
- 入金は“必要証拠金の2〜3倍+予備”をまとめて一度に
- 取引ツールで初期設定
- 通貨ペアお気に入り登録(USD/JPY、EUR/USD)
- 足種(5分/1時間/日足)を表示
- 注文同時発注をON(利確・損切りを自動セット)
- 経済指標カレンダーをブックマークし、当日の発表時刻をメモ
初回トレード手順(成行/指値/逆指値)
- 通貨ペアはUSD/JPY、数量は1,000通貨に固定
- チャートで直近の高安を確認し、損切り幅を先に決定(例:20pips)
- ロットは“許容損失”から逆算(口座の1%以内)
- 注文方式
- 指値エントリー:押し目/戻り目に価格を置く
- 逆指値:損切りを同時に設定(OCO/IFD-OCOを活用)
- 利確:損切り幅の1.5〜2倍に設定
- 約定後は“理由メモ”を残す(入った根拠・撤退条件・発表予定の有無)
チェックリスト:建てる前/建てた後
建てる前
- 今日は重要指標がない
- 損切り幅とロットの計算が済んだ
- 逆指値・利確を同時にセットする
建てた後
- 想定外ニュースが来たら躊躇なく撤退
- 含み益でもルール外の増し玉はしない
- 1日最大トレード回数を守る(例:3回)
つまずきポイントの先回り対策
- 価格が触れても約定しない→“指値/逆指値はヒゲ到達でも約定条件を満たさない場合あり”。成行化は原則しない
- 逆指値が滑った→荒い時間帯を避ける。予定イベント30分前後は建玉を軽く
- ルール破りが増える→“チェックリストを声に出す”か、紙に貼ると効果大



今日は“1回だけ、テンプレ通りにやる”で十分だにゃ。勝ち負けより、手順を守れたかを日報で○×チェックしよう。
経済指標・イベントの見方(FOMC/日銀/CPI等)
どの通貨が動きやすい?見どころ早見
- USD/JPY
- 主役:米CPI、米雇用統計、FOMC、米要人発言、米長期金利の動き
- 方向感:インフレ強→ドル高・金利上昇で上に、弱→ドル安で下に動きやすい
- EUR/USD
- 主役:ユーロ圏HICP(CPI)、ECB理事会、景況感指数、ドイツ統計
- 方向感:欧州のインフレ・景気サプライズでユーロが強弱
- AUD/JPY
- 主役:豪CPI、RBA(豪中銀)、資源価格、中国指標
- 方向感:資源高や中国改善で豪ドルが買われやすい
まずは自分の通貨ペアに対応する“主役イベント”を3つだけ覚える。全部追うよりも、深く反応を学ぶ方が上達が早い。
指標カレンダーの使い方と注意
- 重要度の星印(高・中・低)で並べ、当日は“高”だけに集中
- 時刻の前後30分は原則見送り。入るならロット半分以下+逆指値は広めに
- コンセンサス(市場予想)と結果の差に注目。差が大きいほど瞬間的に動く
- “改定値”や“コアCPI”など、数字の定義もちょっとだけ確認
- 連続イベント(FOMC→会見)は、1発目の数字だけで決め打ちしない
反応を読み解くミニ手順
- 予想値とレンジを把握(例:米CPI前年比3.4%予想など)
- 発表直後の初動は見送り、ヒゲが落ち着くのを待つ
- 初動の方向に“押し目・戻り目”をつけたら、指値で小ロット
- 逆指値は直前のヒゲ外に置く(スリッページ対策で少し広め)
- 5〜15分で想定と違えば撤退。粘らない
よくある落とし穴と回避策
- 高頻度に食らう“往復ビンタ”:初動逆張りの成行→やらない。指値で待つ
- 会見や要人発言の二段階変化:1発目だけで満足せず、会見での修正に注意
- 指標の“内訳”無視:総合だけでなくコアやサービス項目にも注目
- 週明けギャップ:週末ニュースで月曜早朝に窓。ロット軽めか様子見
チェックリスト:イベント日の行動規範
- 今日は主役イベントがある?(ある→基本は見送り or ロット半分)
- 予想値と注目ポイントをメモした?
- 初動は見送って、二次の押し目/戻り目を待つ?
- 逆指値は“ヒゲ外+α”で広めに置いた?
- 連続イベントは“1段目だけで決めない”と自分に言った?



指標は“入って稼ぐ日”じゃなく“無傷でやり過ごす日”と決めるだけで、口座の健康寿命がぐっと伸びるにゃ。
税金とルールの要点(2025年版)
国内FXの課税:申告分離課税20.315%・損益通算/繰越
国内の店頭FXの利益は「先物取引に係る雑所得等」として申告分離課税。税率は所得税15%+住民税5%に復興特別所得税が上乗せされ、合計20.315%が目安。損失は同区分内で損益通算でき、一定要件で翌年以後3年間の繰越控除も可能だよ。詳しい定義と手続きは国税庁の解説を参照。
2024年分の申告期限(2025/2/17〜3/17)と実務の流れ
令和6年分(2024年分)の確定申告は、2025年2月17日(月)〜3月17日(月)。医療費控除などの還付申告はこの前からでも提出できる。FXの損失繰越を使うなら、損失年・翌年以降とも毎年の申告が必要だにゃ。
レバレッジ上限25倍・ロスカット義務などの国内ルール
個人の店頭FXは、取引金額の4%以上の証拠金が必要=実質レバレッジ25倍以下。業者は損失拡大を防ぐロスカットルールを定めることが義務づけられている。制度の経緯(2011年以降25倍)も公的・業界資料で確認できるよ。
実務ミニTips(保存版)
- 年末に含み損が大きい場合でも、決済しない限り損失は確定しない
- 損益通算は「先物取引に係る雑所得等」内でのみ可能(株式等とは別区分)
- 繰越控除を使う年は、取引が少なくても確定申告を忘れない
- 海外FXや暗号資産CFDなどは取扱いが異なる場合があるため要確認
チェックリスト:税とルールのセルフ確認
- 自分の取引が「国内店頭FX」か確認した?
- 今年の損益は同区分で通算した?
- 損失がある→繰越に向けて“毎年”申告する段取りにした?
- 口座のレバレッジ設定とロスカット水準を把握した?



税とルールは“知らずに損”がいちばんもったいないにゃ。最初に地図を持っておけば、後から慌てずにすむよ。
FAQ(よくある質問)
「FXはいくらから始められる?」
最小取引単位が1,000通貨の口座なら、USD/JPY想定で必要証拠金は数千円。ただしロスカット回避のため、必要証拠金の2〜3倍を口座に用意し、小ロットで練習するのが現実的。
「初心者におすすめの通貨ペアは?」
情報量とスプレッドの狭さからUSD/JPYかEUR/USD。まずは1〜2通貨ペアに絞り、毎日の材料(CPI、雇用統計、要人発言)と値動きをメモして“癖”を体で覚える。
「レバレッジは何倍が安全?」
“使える最大”ではなく“許容損失から逆算”。目安は実効レバ2〜5倍に収まるサイズから。維持率に余白があるほど強制ロスカットにかかりにくい。
「スプレッドは狭ければOK?」
狭いほど有利だけど、指標直前・早朝・急変時は広がる。“いつ狭いか”が大事。欧州〜NYの流動性が厚い時間帯に回数をしぼるのがコツ。
「スワップポイントはずっと同じ額?」
いいえ。金利環境や各社の条件で日々変わる。週またぎで複数日分が付く日もあるので、長期保有は“方向・額・付与タイミング”を確認してから。
「確定申告は必要?いつまで?」
給与のみで年末調整済みでも、FXの利益があれば原則申告が必要。2024年分は2025年2月17日〜3月17日。損失の繰越控除を使う場合も毎年の申告が必要。



迷ったら“損切りは入ってる?イベントは近い?”の二点チェックだにゃ。判断に迷う日はお休みでもいいんだよ。
まとめ:初心者が今日から守る5つの約束
チェックリスト(保存版)
- 1回の許容損失は口座の1〜2%以内に固定する
- 逆指値は必ず同時に入れる(OCO/IFD-OCOを基本に)
- 指標の前後30分は原則ノートレかロット半分にする
- 取引回数は“最大3回/日”の上限を守る(連敗日は早上がり)
- 取引理由・損切り理由・見送り理由を毎回メモする(振り返り最強)



続けた人が強いのが相場だにゃ。今日の目標は“手順を守ること”。結果はあとからついてくるよ。

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